こんにちは、枚方市で活動する不動産エージェント　(株)ハウスゲート　枚方不動産情報館です。

賃貸物件は赤の他人同士が同じ屋根の下で暮らすものなので、大なり小なりトラブルが起きやすいものです。

そしていつも迷惑しているけど生活に大きな支障が出ているわけでもないし…と悶々とした気持ちを抱えて過ごされている方もいるでしょう。

特に最近は、無用なご近所トラブルを避けたいという気持ちが強いあまり、本当は迷惑だけど我慢しなきゃと思って耐え忍ぶ方もいらっしゃいます。

相手があなたや他の住人の方に迷惑をかけていることに気づいて改善してくれるのが一番良いですが、たいていのことはなかなかそう簡単に解決できません。

今回は、そんな賃貸物件のトラブルに関するお話です。

Aさんが住んでいる賃貸アパートには住人専用の駐車場があり、仕事やプライベートで車に乗る機会が多いAさんも、駐車スペースを1台契約しています。

ある日、Aさんがたまたま早く仕事が終わって帰ってくると、Aさんの駐車スペースに見知らぬ車が停められていました。

明らかな違法駐車で、このままではAさんが車を停めることができません。

幸い、クラクションを鳴らして警告するとすぐさま持ち主が出てきて車を動かしてもらえたため、Aさんは無事に愛車を駐車することができました。

ところが数日後、同じように仕事が早く終わって帰ってくると、またAさんの駐車スペースに停まっている見知らぬ車。

しかもよく見ると、前回停まっていた車と同じ車のようです。

とりあえずクラクションを鳴らして警告すると、現れたのは前回と同じ人。

Aさんが住むアパートは世帯数が少なく、住人の方とは会えば挨拶を必ず交わしているため、だいたいどんな方が暮らしているのか覚えているＡさんですが、この車の持ち主は今までアパート内で会ったことが無い方だそう。

そのため前回は「どこかの部屋の住人を訪ねてきた方が、少しの間だけのつもりで停めてしまったのかな。それならあまり大げさにするのはやめよう」と思ってクレームを入れなかったAさん。

しかし2度も同じ方が停めているということは、普段この時間帯は自分が留守にしていて駐車スペースが空くことを知っていて、その上で何度も違法駐車をしているのだと察知しました。

このまま何も言わなければ恐らく今後も同じように違法駐車を繰り返されてしまいますが、下手に刺激して逆恨みをされるのも怖いですよね。

では、Aさんはどのように対処するのが良いのでしょうか？

こうした違法駐車のケースは、多くの賃貸物件において見られる迷惑行為の一つで、そのことについて悩まれる方が後を絶ちません。

車を停めるスペースを確保したいからきちんと契約を取り交わし、そのための料金も支払って駐車する権利を得ているのに、それを部外者に権利を侵害されるのは誰だって気持ちの良いものではありません。

しかし直接注意をすると、中には屁理屈をこねて逆切れをして逆恨みをする危険な方もいるため、注意をしたくてもできない方が多くいます。

そんな時にぜひ相談をしていただきたいのが、あなたが住む賃貸物件を管理する管理会社です。

管理会社の役割は、入居者様が安心して快適に暮らせるように努めること。

それには建物の清掃や設備管理だけでなく、住人の方々が抱えるトラブル解決も含まれています。

今回のAさんのケースも立派なトラブルですので、相談が可能です。

なお、相談される際には、事前に違法駐車を確認した日時・違法駐車の車のナンバーや車種・色などの特徴を控え、相談時に証拠資料として提示できるようにしましょう。

こちらが証拠を持っていないと管理会社も行動を起こせないため、必ず証拠は持っておきましょう。

どの時点までにどういった対応を行ってもらえるのか？も合わせて聞くと行動が遅い管理会社も動かざるを得ませんので、聞くようにしましょう。

それでも行動が遅い管理会社には「警察へも通報する」ということで無断駐車への対応を迅速に行ってくれるかもしれません。

警察に通報することも無断駐車・違法駐車している人への有効な対処法なので、必ず通報しましょう。

＜無断駐車・違法駐車している車への警告＞

まず管理会社が取れる行動として、警告があります。

駐車禁止の看板を設置したり、樹脂製のクルマ止めポールなどを設置するなどして簡単に駐車ができない環境づくりが行われることが多いです。

既に無断駐車が敷地内にある場合は、その車に張り紙などの警告が行われます。

「ここは私有地ですので駐車をご遠慮ください。再度無断で駐車された場合には駐車代金として〇万円をいただきます。」

という文面が適切です。

ポイントとしては高額すぎる罰金にせず、実際に取られて痛いと感じるような金額にすることです。

執拗に罰金を請求すると恐喝罪にあたる可能性もあるため、やんわりとした警告にとどめてください。

張り紙の際は、テープ跡が残らないようにしましょう。

張り紙のテープ跡が残ってしまうと、無断駐車した人から逆にクレーム・損害賠償の請求を受けてしまう可能性があります。

ワイパーに挟む、テープ跡が残らないもので止めるなど、相手から文句をつけられないことに留意しましょう。

張り紙をしたカラーコーン等を立てておけば、今後の予防にもなるためおすすめです。

＜無断駐車・違法駐車している車の所有者へ直接連絡＞

それでも一向に改善が見られない場合は、車の所有者に直接警告しましょう。

所有者を調べて、直接、自動車の持ち主に警告する方法が効果的です。

車の所有者を調べるのは難しく感じるかもしれません。

しかし意外と簡単です。

陸運局で自動車の「登録証明取得申請手続き」を行うことで、迷惑駐車を行っている車の所有者を特定することできます。

 必要書類は、無断駐車している「車のナンバープレート番号」と「私有地放置車両関係位置図」と「証拠写真」です。

それだけで所有者を教えてくれます。

 マンションの管理組合や不動産管理会社の名前で警告書を所有者に対して内容証明で送りましょう。

前述の警告と内容証明を同時に行うと無断駐車をやめさせるのには確実性が高いです。

違法駐車は断じて許されない行為ですが、かといってその車をあなたが勝手に移動させてしまうのはとても危険です。

なぜならその際にその車に傷がついてしまった場合、逆に車の持ち主から損害賠償を請求される可能性もあるからです。

最悪の場合、実は以前からついていた傷を、さも今傷つけられてしまったかのようにでっち上げてくるパターンもありますので、自力での移動は絶対やめてください。

また違法駐車に対する警告の張り紙も、テープなどで貼り付けるとガラスに残った粘着質について文句を言われることもありますので、張り紙もなるべく避けるか、ワイパーで挟んでテープを使用しない方法で張り紙をする方が無難です。

時々、違法駐車があると警察に連絡してレッカー移動を依頼したいという方がいますが、残念ながらそれはできません。

というのも、警察には民事不介入という原則があり、賃貸物件の駐車場内＝私有地の無断駐車は民事にあたる可能性が高いため、違法駐車と判っていてもレッカー移動をすることができないのです。

しかし、実際には警察に連絡すると、警察から不法駐車の持ち主なり運転者に「ここには駐車しないでね。今後駐車するとおしおきしますよ」という指示が行われることが多いようです。

実際に違法駐車が行われている場面において、通報だけでは民事になるか刑事になるのかは所轄の警察には判断できません。事件性があるかないかはわからないけど、実見（実際に現場を見てみること）するしかないためです。

そして頻繁に違法駐車が繰り返されたり、管理会社からの再三の警告も無視するような悪質な場合は民事の域を超えていますので、その場合は刑事として警察が介入することもあります。

そのため、違法駐車された場合は警察にも通報しましょう。

そこから実際に、警察から違法駐車をしている運転者や車の所有者に注意がいき解決することも多いようです。

駐車場を契約している方であれば、誰の身にもいつ降りかかるか判らない違法駐車問題。

ぜひ無断駐車・違法駐車に悩まされることのない新生活を送ってくださいね。