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住宅の内装壁の種類

こんにちは、枚方不動産情報館です。本日は住宅の内装壁の話です。種類が大変多いので、なが~~~いブログ記事になってしまいましたが・・・参考にしてもらえればと思います。

 

日本では、古くは湿式と呼ばれる塗り壁が一般的でした。しかし、戦後15年から20年経過した1960年代 施工に手間がかかり、工期も長くなる湿式の壁に変わり、石膏ボードなどを下地にして糊で壁紙を張っていく乾式工法が普及し、施工の容易さや安さが受け入れられ、 現在は乾式と呼ばれる壁紙で仕上げられている家がほとんどです。

 

その壁紙で代表的なビニルクロスをはじめ、 紙クロス(紙壁紙)や無機質の材料を薄く表面に塗着させた無機質壁紙なども開発され、 壁紙を選択されるだけでも大変に感じているのではないでしょうか。とても種類の多い壁紙のそれぞれの特徴について書いてみました。



ビニルクロス

もっとも普及しているのが、このビニルクロスです。
その普及率は9割以上とも言われています。

選ばれる理由は、コストパフォーマンスと、手入れの簡単さ、 種類の豊富さ、施工の容易さが挙げられるでしょう。

また、デザインのバリエーションや絵柄付きのもの、 天然素材の風合いを再現したものなどがどんどん開発され
安っぽさを感じさせないビニルクロスも多くあります。


布クロス(織物壁紙)

 

もともとクロスというと織物や布を意味する言葉です。

 

クロスというと、本来はこの布壁紙を指す言葉だったのかもしれません。

 

この布クロスも様々なものがあります。
たとえば、レーヨンのような木などから取れるセルロースを再生した繊維や、 綿や麻、絹などを編み込んだ織物や編物、不織布などの布に紙を裏打ちし 製品化したものです。

壁紙全体に占めるシェアは、1%にも満たないのですが、 自然素材にこだわりたい部屋や、高級感を演出したい部屋に
この布クロスを選ばれる方もいらっしゃいます


紙壁紙

日本の家にとって、紙は襖や障子など とても古くから住宅建材として使われてきました。

しかし、壁に紙を貼ることは比較的近代になってからのことです。

紙は湿気や汚れなどが付着しやすく、 メンテナンスが難しいなどのことから、
表面を樹脂(プラスティックのようなもの)でコーティングされていますが、 厚みがそれほどないため、
擦れには弱いなどといったデメリットがあります。


無機質壁紙(じゅらく調、漆喰調)

最近増えてきているのが、この無機質壁紙です。

この壁紙ですが、簡単にいうと、じゅらくや漆喰などの仕上げを 不燃性の紙の上に施し、 手軽に塗り壁の雰囲気を味わえるというものです。

本物と並べて比較すると見劣りするのですが、 実際に無機質材料を下地の上に吹き付けているので、 触った場合のざらざら感などはしっかりと表現されています。


塗り壁(左官仕上げ壁)

左官と呼ばれる職人が昔は多くいましたが、クロスの席巻により、塗り壁で仕上げる家も少なくなり、 その数はどんどん減っています。

左官職人は、ヒビや脱落、見た目の綺麗さなどを考慮し、 下地や中塗り、仕上げの原料の配合を決め、 決められた配合の材料を塗り上げていきます。

職人さんの腕や感性によって仕上がりの色も変わりますし、 耐久性も変わってきますので、 塗り壁を選ぶ場合には、良い職人さん探しがとても重要になります。


漆喰

漆喰とは、消石灰に砂や糊を混ぜたもので、 室内の壁だけでなく、外壁や塀などにも使われてきた材料です。

真っ白なイメージの強い漆喰ですが、 江戸城に代表されるような黒漆喰や漆喰に顔料などを混ぜた色のついた
漆喰なども存在します。

また、材料にわらすさを混ぜたものや、鏝(こて)でわざと表面に荒さを残すような
仕上げ方法もあり、漆喰仕上げといってもいろんな表情を作ることが可能です。


聚楽(じゅらく)壁

じゅらく壁とは、安土桃山時代以降に聚楽第付近の土を使って仕上げた土壁を「じゅらく壁」と呼んでいましたが、
現在は、土の産地に関係なく、同じような仕上げ方法をまとめて じゅらく壁(京壁)と呼んでいます。
このじゅらく壁ですが、混ぜる土の色を変えることで様々な色見を出すことができます。
また、鏝での仕上げ方法やわらすさなどを混ぜることによって様々な表現が可能です。


珪藻土(けいそう土)壁

珪藻土(けいそう土)とは、海や湖に住んでいるプランクトンが死んで蓄積されてできた土で、 軽く断熱性に富んだ材料です。
珪藻土は壁に利用されるようになる前から七輪などで利用されており、 耐火性がある材料ということが分かると思います。
なお、珪藻土そのものにはセメントのように固まる性質がないため、 壁に固着させるために、糊などの合成樹脂などが使われます。
珪藻土自体は自然材料ですが、シックハウスなどを気にされる方は、 固めるための合成樹脂に何が使われているかをチェックするといいと思います。


タイル壁

現在でもキッチンやトイレまわりにタイルを選択される方も多く家の内装材の中ではよく使われてきた材料です。
また、最近では、エコカラットに代表されるような調湿性などの機能を持たせたタイルもあり、デザイン性だけでなく、機能性でタイルを選ばれる方も増えています。
タイルには、原料や焼く時の温度の違いによって陶器質タイルやせっ器質タイル、磁器質タイルなどに分けられます。
それぞれ吸水性が異なるため、使う部屋の用途に応じて 使い分けると思います。

 

 

種類毎のメリットとデメリットを表にまとめてみました!内装の壁を選ぶのにも種類の多さに驚きますね。
選ぶコツは部屋の目的と使用する人によると思います。住む人に合った住環境をつくるには専門家に相談して住みよい家を是非手に入れてください。

 

種類 メリット デメリット
ビニルクロス 1.施工がしやすいため、施工費を抑えられる
2.汚れがついても拭き取ることができるので、メンテナンス性が良い
3.商品の種類が豊富で、選択肢が広い
4.難燃処理され商品を選ぶことで、防火性を上げることが可能
5.防カビ剤が添加された商品を選ぶことで、カビへの対策も可能
1.合成製品なので、素材感を楽しむことは難しい
2.年数が経過すると剥がれなどが生じやすい
3.部分的な補修が困難
4.独特のニオイがある
5.化学物質を含有するので、アレルギー体質の方は注意が必要
布クロス 1.自然の風合いがあり素材感を感じられる
2.自然な凹凸があり、高級感を演出することが可能
3.擦れなどに強く破れにくい
4.自然材料を使うので、可塑剤などの化学物質に不安がある方にも安心
5.自然の繊維なのでクロス自体も吸放湿を行う
1.一般的に価格が高い
2.伸縮性が高いので、施工に手間がかかる
3.防火認定を受けた商品が少なく、キッチンなどでは選択肢が限られる
4.汚れが付着すると落としづらい
5.提案できる工務店やハウスメーカーが少ない
紙壁紙 1.部屋を柔らかな印象にすることができる
2.塩ビを使わないため、可塑剤などにアレルギーを持つ方でも採用できる
1.施工に手間がかかる
2.膨張収縮することによって、目地が目立つ場合がある
3.ビニルクロスと比べると高価

無機質壁紙

(じゅらく調、

   漆喰調)

1.塗り壁に比べると、施工しやすく、工期も短縮できる
2.施工費がそれほどかからないため、全体の金額も抑えられる
3.工場で製造されるため、職人の技量に左右されにくい
4.ひび割れなどが生じにくい
1.壁紙に継ぎ目が生じるため、安っぽさを感じる場合がある
2.厚みがないため、消臭や調湿効果は薄い
 漆喰 1.カビが発生しにくい
2.化学物質や二酸化炭素を吸着させる効果がある
3.水蒸気を吸放湿する性質があり、湿度を安定させることができる
4.塗り替え時期がクロスなどと比べると少なくて済む
5.不燃性の材料のため防火性を上げることができる
6.材料が重いため音が漏れにくい(入ってきにくい)
1.施工する手間が多く、工期がかかる
2.技術が必要なため、施工費が高くなる
3.短時間で乾燥させるとヒビが入りやすい
4.地震などの強い力が加わると、ヒビが入りやすい

聚楽

(じゅらく)壁

1.化学製品などを含まないものは、シックハウスなどの影響も小さくできる
2.水蒸気を吸放湿する性質があり、湿度を安定させることができる
3.塗り替え時期がクロスなどと比べると少なくて済む
4.不燃性の材料のため防火性を上げることができる
5.材料が重いため音が漏れにくい(入ってきにくい)
1.施工に手間がかかり、乾燥の工程も必要なため工期がかかる
2.上記理由からコストも上がる
3.地震の際には、ヒビが入ったり脱落したりしやすい
(脱落することで揺れを受け流し、耐震性が上がるといったことも言われる)
4.汚れが付きやすく、掃除は困難
5.擦れに弱く、補修が困難

珪藻土

(けいそう土)壁

1.水蒸気を吸放湿する性質があり、湿度を安定させることができる
2.不燃性の材料のため防火性を上げることができる
3.多孔質材で塗って一定期間ニオイを吸着することができる
1.汚れが付きやすく、掃除が困難
2.擦れに弱く、補修が困難
タイル壁 1.メンテナンスが容易で長期間使うことができる
2.部分的に使うなども可能で、他の壁材との相性も良い
3.1枚1枚の表情が違いを楽しむことができる
4.陶器のため、火に強く耐火性を上げることができる
5.リサイクルも可能で、環境にやさしい
1.施工や材料に費用がかかる
2.タイルが脱落する可能性がある
3.無釉タイルは汚れが付きやすく、掃除が難しい